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愛する者へ (HIPHOP ver)

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拝啓 愛しき人へ 希望を持ちながらも ただ心の一隅に その文字に宿る 静かな祈り 静かな想い 今も胸を打つ 「今まであなたにお礼を 言う言葉以外の何物でもない」 ありがとう その一言だけが 幾千の言葉より 深く響いた 笑った日々 語った夢 交わした約束 どれも胸の奥 風に散ることなく 今も息づく 「あなたの幸せを希ふ以外に何物もない」 愛とは何か その答えは この一行に 刻まれていた 1945 誰も知らない 終わりの日 誰も知らない 還る日 卯月の風 桜は揺れて 故郷の空は どこまでも青く 母を想い 君を想い 明日を想い ただ 生きて帰りたいと 願っていた 「拝啓 母上様 十分な孝行も出来ぬまま 先にいくのが心残りなのです」 眼下に広がる 山も 川も 町も 畑も 幼き日の景色 目に焼き付け 胸に刻み 最期の挨拶を 風へ託した 操縦桿を握る その手は強く その胸は脆く 誰だって 生きたかった 誰だって 帰りたかった 誰だって 愛する人と 明日を迎えたかった 征くしかなかった 時代がそうした 征くしかなかった 守る人がいた 征くしかなかった 愛する人がいた それだけだった 八月十五 あと少し あと少しだけ 時が違えば 君に逢えたのか 母に逢えたのか 誰にも分からない だから 忘れないでほしい 名をではなく 勲章をではなく 願いを その事実を忘れてはならない その気持ちを持った人達がいた それを忘れてはならない 賛美 称賛 批判 愚弄 そんな小さなことではない そんな浅はかなことでは語れない あの日 確かに 愛する人の幸せを願い 家族の幸せを願い 故郷の未来を願い 空へ向かった 若者たちがいた 今年も 九段の社に 桜は咲く 花は散れど 願いは散らず 風は今も あの日の手紙を 静かに運び続けている