雪解の雫 紅をさし 一番 春を告げるのは梅 あなたの視線 その先に 別の誰かが 映っていても ​ 隣の庭を 羨んでは 溜息ひとつ 薄桃色 「あの子のように なれたなら」 呟く声は 風にさらわれ ​ 桜は舞いて 潔く 梅は香りて 凛と咲く 桃は微笑み 李は実を結ぶ 比べることなど 徒らなこと 私は私の 色で咲き誇れ あなたの心に 届くまで ​ 季節の移ろい 急き立てて 桃の花びら 水面に揺れる 焦る心は 空回り 等身大の 自分を隠した ​ 甘い蜜だけ 吸いに来る 蝶にはなりたくないのです たとえ不器用な 恋路でも 誠一つの 李でありたい ​ 桜は華やぎ 宴を添え 梅は寒に 耐えて咲く 桃は魔を祓い 李は静かに 違う形で 明日を照らす 私だけの香を あなたに捧げよう いつか振り向く その日まで ​ 百花繚乱 夢の跡 誰の真似もしなくていい 枝を伸ばして 根を張って この命 燃やし尽くすの ​ 桜梅桃李 咲き乱れ それぞれの陽(ひ)を 抱きしめて たとえ短き 花の命でも 悔いなき彩(いろ)を 残したいから 私は私の色で 恋をする 世界で一人の 私(はな)であれ ​ 私の色で…… 咲き誇れ