結露したグラスの汗を 指先でなぞって 冷房(エアコン)の効いた店内で 小さくひとつ 息を吐く テーブルの向かい側 空っぽの椅子がひとつ 遅れてくることなんて 最初から分かっていたのに 塗り直したリップの色 気づかれることのないまま ストローの先っぽ 噛んで潰してしまった 「ごめん、仕事が入った」 たった一行の文字で 世界は簡単に曇る グラスの中で 氷がぶつかる音がする 揺れる 揺れる ただのマドラーみたいに 行き場のない言葉だけが 底の方に沈殿してる 甘すぎるシロップも 飲み干せば嘘になるかな 誰もいない午後は 息継ぎがうまくできない 不安定なリズムで 今日をやり過ごすの 隣の席の笑い声が 耳障りなBGM 窓の外 通り雨が 舗道(ほどう)の色を変えていく 「また今度」って言葉の 「今度」はどこにあるの? 約束なんて 口約束の略でしょう? 本当は分かってる 我儘なのはこっちの方 忙しい時間の ほんの数秒になりたかった マニキュアが少し剥(は)げてる 直さなきゃ 直さなきゃ 心ごと 時計の針と 時間が溶けていく音がする 回る 回る 水面(みなも)みたいに 好きだって言えなかったことが 今さら胸を締め付ける 混ざりきらない想いを 無理やり飲み込んで笑う 最後にくれた「またね」を お守りにして 少し苦い紅茶に ミルクを落とした 揺れる 揺れる まるでマドラー いつまでも 同じ場所を回ってる ただ 静かに...
Comments are disabled on this song

