
Rising Elegance with a Smirk
[Intro] [Spoken Word] 午前零時、誰もいないロビーに 「お先に失礼」と言ってみる シガーの煙をひとくち、影が伸びる Rising Elegance with a smirk [Verse 1] [Spoken Word] [minimal beat] コーヒー豆を挽く音で始まり、印鑑の判を押す音で終わる 僕の仕事は決裁、ただそれだけのこと 仕事の九割は、頷くか、頷かないか 承認済みの毎日が、静かに積み上がっていく 己の時間と引き換えに、置き去りにした道楽を 三十年ぶりに、ひとつずつ引き取りに行く ジャズバーの重い扉、週末に組む真空管アンプ 盆栽の枝ぶりに、口を出しすぎない練習 どれも上質で、どれも楽しい それなのにどれも、少しだけ「観賞用」 [Pre-Chorus] [soft, reflective] [glass harmonics] ガラスに映る、乱れのない僕の姿 乱れがないことが、少し寂しい 雨に濡れない人生では 傘は一度も、開かれない [Chorus] [melodic male vocal] Rising Elegance 完璧な導線の上を 今夜も定刻通りに、僕が流れていく この人生はとうに決裁済み [Break] ところで、誰が承認した? with a smirk ガラスの中の紳士に 軽く会釈をしてみせる 予定表の余白で、何かが待っている まだ、判は押していない [Verse 2] [Spoken Word] [warm, lo-fi] ナイフとフォークの正しい manner なら 教わらなくても、手が覚えている それでも恋しいのは、若かりし頃深夜によく食べた 牛丼の味 あの頃の僕が、湯気の向こうでゆらめいている 役員室に牛丼の出前を取る 「また例の奇行だ」と、部下が笑う 結構。様式は鎧ではなく、衣装 脱いだほうの僕が、たぶん本体なんだ [Bridge] [Spoken Word] [drums stop] タクシーの後部座席、夜が流れていく 「ああ、そのかどで降ろしてくれないか」 いつもの悪い癖。予定にない道を 偶然のために、少し空けておく さて [Final Chorus] [melodic male vocal] Rising Elegance 導線を一歩外れて 夜風に混ざる midnight signal 決裁済みの人生の内ポケットに 未決の一枚を、忍ばせておく with a smirk ガラスの紳士とは ここでお別れだね、良い夜を 予定にない道の、その先に偶然がある あれを拾いに行くのも、悪くない [Outro] [soft, fading] 明日の予定に、空白をひとつ足しておく 僕のまだ知らない、偶然へと向かって 今度、雨の街を散歩してみようかな この傘にもそろそろ、初仕事を still pending [End]

