
夜の底を ゆっくり沈む ガラスの靴が 月光に溶けて 指先から 星屑が零れ 私という輪郭が 薄れてく 重力の糸が 切れたみたい 胸の奥で 羽ばたく音がする 落ちてく 落ちてく 永遠の真ん中へ 光の粒が 髪をすり抜けて どこまでも どこまでも 境界が溶けてく 私じゃない 何かになってゆく 銀河の脈が 頬を撫でて 息をするたび 宇宙が震える 閉じた瞼の裏に広がる 知らない誰かの 記憶の海 時間はもう ここにはなくて ただ 揺蕩う 透明な調べ 落ちてく 落ちてく 果てのない真ん中へ 星の吐息が 喉をくすぐって どこまでも どこまでも 名前が剥がれてく 私じゃない 何かになってゆく ねえ あなたはまだ 私のことを 覚えている? この無重力の 子守唄の中で 一番遠い 光の名前で呼んで 浮かんでる 浮かんでる 永遠の真ん中で 涙さえも 星屑に変わって どこまでも どこまでも 全てが霞んでく 私じゃない何か 優しくなってく ……聴こえる? 遠い遠い あなたの鼓動が 私の 最後の 星になる

