
ハロルドははーとため息をついた。 「さっき近くで天馬を見た。あれもらったのはお前の時だったのか」 「大きくなったでしょ?」 ゆりがかわいらしく言ってみるとまた睨まれた。 「そんなに怒らないでよ。子供産まれてむちゃくちゃ喜んでたくせに・・・」 ゆりは口を尖らせて言った。 「ガーベラでもきっと産まれてた」 「そーですか。何よ。全然気づかなかったくせに」 ボソッと言うと、ハロルドの眉間にしわがよった。どうやら禁句だったようだ。 「ここには私をはりつけにするために拉致しに来たの?」 「そうだったらどうする?」 ハロルドは胸の前で腕を組んでいた。 「裁判を要求する。私は自分の無実を訴える。神の国に裁判官とかいる?有能な弁護士用意しなきゃ・・・」 「もーいい。お前、子供はいるのか?」 ハロルドががらりと話題を変えた。 「いません」 ゆりは即答した。 「そうか。残念だな。せっかく私の加護を与えてやろうと思ったのに・・・」 ハロルドは横を向いて頭をかいた。 「え?加護?何それ・・・」 ゆりは目を丸くした。 「不本意だが、お前に愛してるといってしまったからには、お前に何かしてやらねばならない。やらねばならないということはないが、 神ってのはそういうもんだ。」 「はあ・・・さっきのはりつけの話は?」 「あれは冗談だ。だがアシュランの怒りをかって実際に罰を受けた人間もいるんだからな。お前に加護を与えてもいいが・・・ もったいないな。どうせなら子供の方がよかったんだが」 「5人います」 ゆりはハロルドの腕をつかんでいた。 「ご・・・5人?」 「はい」 ゆりはにっこり笑った。 「お前な・・・さっきはいないと言っただろ!神に嘘をつくのは大罪だと教えたばかりだろうが!」 「ごめんなさい。すっかり何かされるかと思ったから・・・」 ゆりはしょんぼり縮こまった。 「加護を与えるのは一人だけだ。今夜日が変わる頃、ここに子供を連れてこい」 「5人・・・・」 「一人だけだ」 「はーい」 これ以上言っても無理のようだ。 「全く・・・どんな美女にお目にかかれるのかと思えば・・・ガーベラとは似てもにつかないとは・・・」 ハロルドは横を向いてぼそっと言った。 「何かおっしゃいました?」 「ガーベラに外見は全然似てないと言ったんだ」 ハロルドはゆりに顔を寄せて言った。 「でも性格は似てる?」 ゆりは負けずに言った。今更そんなセリフにはへこたれない。 「全くどうなってるんだ・・・じゃあ今夜な」 ハロルドは頭をかいて消えた。

