
浴衣の裾を 少しだけ気にして 下駄の音、 カランと響かせる夜 人混みの中 あなたの背中を 見失わないように 袖をぎゅっと引いた オレンジに光る 提灯の列 香るりんご飴 甘い夏の匂い ねえ、こっちだよって 振り返る笑顔に 胸の奥が 少し熱くなるの ドンドンと胸を打つ 夏の夜の花火 夜空に咲く大輪 あなたと見上げる この瞬間がずっと 続けばいいのにって 浴衣の袖で隠した 高鳴る鼓動 ねえ、夏が 終わっても 忘れないでいてね 金魚すくい 網が破れて笑う 惜しかった ねって 目が合う距離 冷えたラムネの ビー玉が転がるように 私たちの時間も 揺れて弾んでいく 縁日の ざわめきに 紛れて 聞こえた 「綺麗だよ」 なんて ずるいよ、その声は 急に止まった足 赤くなった頬を 隠すように 夜空を見上げた ドンドンと響き渡る 最後の大輪 闇夜を染めていく 鮮やかな光 あなたの大きな手に そっと触れた指先 熱を帯びていく 切ない夏の魔法 ねえ、この 想いは 花火に消えないで 祭りの終わりを告げる 寂しい風が吹いて でも、心はなぜか 温かいままで 帰り道、 繋いだ右手が 離れないように 強く、握りしめた ドンドンと胸を打つ 終わらない夏を あなたとふたりきり ずっと刻んでいく この瞬間が永遠に 続けばいいのにって 何度でも願うよ きらめく星空に ねえ、来年もまた 一緒に来ようね

