
J-popの館さんの世界観から自由参加で曲とストーリーを作って楽しむバリグナーの2期。停戦から戦争再開までの「プロローグ」全9節中第4節です。 歌詞はストーリーの後に。 ギキューン🍜 🍜🍜🍜🍜🍜🍜🍜🍜🍜🍜 ◆ プロローグ第4節 ― 前線に漂う、戦争の匂い ― 帝国前線基地〈アステリオン前哨〉は、 停戦が続いているとは思えないほど静まり返っていた。 だが、その静けさは安らぎではなく、 嵐の前に訪れる“圧”のようなものだった。 整備ハンガーの片隅で、 バリグナー〈G-07 グレイハウンド〉の整備を終えたばかりの 整備兵カイル・ロッシュ伍長は、 工具箱を閉じながら小さく息を吐いた。 「……空気が変だな」 隣で同じく整備をしていた仲間のミナ・エルドナー兵長が、 油で汚れた手袋を外しながら答える。 「変じゃない日なんてあった? 停戦なんて、ただの“言葉”でしかないわよ」 「いや、そういう意味じゃなくてさ…… もっとこう、肌がざわつく感じだ。 何かが近づいてるっていうか」 ミナは工具を置き、 ハンガーの奥に並ぶバリグナーの影を見つめた。 「……レオン中尉の件、聞いた?」 「聞いた。 連邦のスワローが突っ込んできたってやつだろ。 あれ、本当に“事故”なのか?」 「さあね。でも──」 ミナは声を潜めた。 「連邦側でも“通信障害”が起きてるらしいわ。 しかも複数箇所で同時に」 カイルは眉をひそめた。 「そんな偶然、あるかよ」 「偶然じゃないなら……?」 ミナの言葉に、 カイルは答えられなかった。 その時、 基地全体に低い警告音が鳴り響いた。 《前線警戒レベル2へ移行。 全兵員は配置につけ》 整備ハンガーの空気が一瞬で張り詰める。 兵士たちが走り出し、 整備員が機体の最終チェックに飛びつく。 カイルは思わず呟いた。 「……やっぱり来るのかよ、これ」 ミナはヘルメットを被りながら、 静かに答えた。 「戦争の匂いって、こういうものよ。 誰も撃ってないのに、 もう“始まってる”みたいな空気」 カイルは喉の奥が乾くのを感じた。 停戦が続いているはずなのに、 基地の空気は明らかに“戦場”のそれだった。 ◆ 同時刻:地球連邦前線基地 アリテアル大佐は、 前線司令室の窓越しに広がる宇宙を見つめていた。 「……兵士たちの顔つきが変わってきたな」 副官が頷く。 「はい。 皆、何かを察しているのでしょう。 停戦ラインでの衝突が続けば……」 「続けば、いずれ“誰か”が引き金を引く」 アリテアルは静かに言った。 「そして、その“誰か”は── 必ずしも兵士とは限らない」 副官は言葉を失った。 アリテアルは、 遠くに見える停戦ラインの赤い光を見つめながら呟いた。 「……戦争の匂いは、前線の兵士が一番先に嗅ぎ取る。 だが本当に危険なのは、 その匂いを“利用する者”がいることだ」 ◆ 帝国前線基地:夜 その夜、 カイルは寝台に横たわりながら、 天井を見つめていた。 基地の外では、 巡回バリグナーの足音が規則正しく響いている。 だが、 その音が妙に落ち着かない。 「……頼むから、何も起きないでくれよ」 そう呟いた瞬間、 遠くで低い振動音が響いた。 爆発ではない。 だが、 “何かが動き始めた”音だった。 カイルは目を閉じた。 戦争の匂いは、 もう基地の中にまで入り込んでいた。 🍜🍜🍜🍜🍜🍜🍜🍜🍜🍜 In the silent metal hangar Only oil and shadows breathe Though they say the war is over Something crawls beneath my skin When I whisper “Something’s different” Every face is just the same No one’s fired a single weapon Yet our hearts are on the line Past the red cease‑fire border Someone’s touching on the trigger Not a soldier, not a fighter But a hand that wants the spark Footsteps cut the night in pieces Distant engines start to hum Not an explosion, but I feel it Something heavy starts to move I keep praying nothing happens But the sound keeps drawing nearer War arrives before the bullets Slipping in like poisoned air 🍜🍜🍜🍜🍜🍜🍜🍜🍜🍜 静まり返る金属のハンガー 息づくのは油と影だけ 戦争は終わったと言うけれど 肌の奥で何かが蠢いている 「何かが違う」と呟けば 誰もが同じ顔をしていた まだ誰も撃ってはいないのに 心だけが前線に立っている 赤い停戦ラインの向こうで 誰かが引き金に触れている 兵士でもなく、戦士でもなく 火花を求める“手”がそこにある 夜を裂く巡回の足音 遠くでエンジンが唸り始める 爆発じゃない、それでも分かる 重い何かが動き出している 「何も起きないでくれ」と祈るほど その音は近づいてくる 弾丸よりも早く戦争は訪れ 毒のような空気が忍び込んでくる

