朝の光が 森の水面に揺れる 静かな時間の中 ドロップルが目を覚ます 指先から零れるしずくが 空を映し 森の鼓動が 柔らかく響いた 「今日もまた 流れる音が 命を運ぶ」 私はドロップル 森をめぐる水の声 枝の先から 根の奥へと 命の記憶を 運び続ける者 透明な想いが 森を満たしていく 「悲しみも やがて優しさになる」 「流れることこそ 生きるということ」 木々の葉が震え 風が私を呼ぶ せせらぎは旋律を紡ぎ 小さな命が 息を合わせて歌う 森全体が 私の心臓 流れて 巡って また生まれる すべての涙は 光へと還る 潤せ 枯れた夢を 私の水は あなたの心に咲く花 「止まらない流れが 命を育てる」 水面に浮かぶ 小さな影 昨日の悲しみも 今は揺れるだけ 指先で触れたら 波紋が広がり 過去が優しく 未来に変わる 「私は見てきた すべての涙を」 「そのひとつひとつが 新しい命を呼ぶ」 滝が歌い 霧が踊る 風が木々を揺らし 森が呼吸する 水はその中心で 静かに 命の輪を描く 流れて 巡って また生まれる 痛みも やがて癒しに変わる 包んで 凍えた心を 私はドロップル 命の水 「あなたの涙が 森に還るとき」 「世界は 少しだけ優しくなる」 森が私に問いかける 「なぜ流れ続けるの?」 私は答える 「止まることが 終わりだから」 風が頷き 光がきらめく すべての命が その意味を知る 流れて 巡って また生まれる 涙も笑顔も 同じしずく 潤せ この世界を 私はドロップル 永遠を運ぶ水 流れて 巡って また生まれる 命の歌が 森を満たす 透明なこの旋律こそ 私の存在(いのち)の証 太陽が沈むころ 私は静かに溶ける 大地に染み込み 根と語らう 「また明日も、流れに会いに行くね」 そう言って ドロップルは微笑んだ。


