
地下三階 青く発光する基板の森 ピンセットが摘まみ上げる 真鍮のピン 並べ替えた突起の列が 忘れていた童話の 最初の音を鳴らす 過熱した回路から 零れ落ちた銀の粒 冷えて固まる前に 硝子の小瓶へ集めよう 端子がショートする瞬間の歌を 冷えた胸のシリンダーへ流し込んで 真鍮の歯車が噛み合うたび 夜の底で 消えないワルツが目を覚ます 埃をかぶった真空管に 灯る微かな熱 指先に触れた銅線が 小さく火花を散らす 言葉を持たない人形が 膝の上で ゆっくりと首を傾げた 八分休符の沈黙の隙間に 遠い誰かの呼吸の残響が宿る 端子がショートする瞬間の歌を 冷えた胸のシリンダーへ流し込んで 錆びついたオルゴールが紡ぐ光で この無機質な廃墟を踊らせてみせよう 給電ケーブルを抜く前の わずかな時間 あなたの胸に埋め込んだ 銀のビーズが 温もりを覚えているうちに 端子がショートする瞬間の歌を 天頂のスピーカーへ向けて撃ち放て 真鍮の心臓が奏でる音が 暗闇のすべてを塗り替えるまで


