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まだ温もりがあるうちに

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V5.5

三日間の沈黙と 止まない雨 廊下にまだ残る 君の笑い声 あの朝の「行ってくるな」を 何度も何度も 巻き戻してる 真夜中にチャイムが鳴った 空っぽの身体を引きずって ボロボロの軍服 見慣れた背中 でも肌が 冬みたいに白かった 目の色が変わっていた 温かかった茶色じゃなく 赤く揺れてる でも笑い方は あの日のまま 「ただいま……遅くなって、ごめんな」 この腕が忘れるまで 抱きしめるよ 唇の感覚が消えるまで 口づけるよ 一息ごとに「好きだ」と言うよ 崩れ落ちる その時まで どこかで時計が 静かに止まる でもお前には 聞かせない 眠りの中でも 愛させてくれ この身体が終わるまで 頬に触れる指先が 少し冷たい 秋がガラスに触れるみたいに 涙を拭って「バカだな」って 何もなかったみたいに 笑う 椅子にかけた上着 いつもの鼻歌 気楽な日のふりをして まるで「永遠」がまだ この部屋にあるみたいに でも夜更けに 気づいてしまう 腕の力が 前よりきつくなってること 「好きだ」がこぼれる 雪みたいに 三回 四回 五回 もっと この腕が忘れるまで 抱きしめるよ 唇の感覚が消えるまで 口づけるよ 一息ごとに「好きだ」と言うよ 崩れ落ちる その時まで どこかで時計が 静かに止まる でもお前には 聞かせない 眠りの中でも 愛させてくれ この身体が終わるまで 指先が だんだん静かになる ページをめくる感触も 遠くなる でもお前のことだけは——まだ感じる お前が 俺の最後の温もりだから 明日もしペンが持てなくなっても 声が言葉を忘れても 全部 お前のために書いたんだ 一文字ずつ 愛を——もう渡してある この腕が忘れても 抱きしめたよ 唇の感覚が消えても 口づけたよ 一息ごとに「好きだ」と言ったよ 崩れ落ちる その時まで 時計はもう どこかで止まった でもお前だけが 俺の太陽だった 眠りの向こうまで 愛していた この身体が終わっても ただいま……遅くなって、ごめんな でも ちゃんと帰ってきたよ