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ガラスの真夏

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陽炎が舗道を歪める頃 爪先だけで季節を測る 向日葵は大袈裟に笑うけれど 胸の内側は妙に静か 貴方がこちらを向いた瞬間 都会はひとつ息を潜めた ありふれた午後が裂ける音を 誰も知らないふりをしている ガラスの靴など 最初から要らないわ 裸足のままで十分 熱を覚えてしまったから 焦がして 焦がして この夏ごと攫ってよ 綺麗なだけの恋なら 最初から望んじゃいない 触れた指先が 未来を書き換えてゆく 魔法じゃない 選んだのは わたし 氷の溶ける音が急かすたび 言い訳だけが置き去りになる 夕立さえ味方につければ 秘密なんて濡れて透けるでしょう 貴方の横顔に宿る影を 愛と呼ぶには少し危ない それでも目を逸らせないのは 傷まで美しいと思うから 零時を告げる鐘はいらない 終わりを決めるのは時計じゃない 幸福はいつでも刹那をまとい 壊れるほど鮮やかに笑う 焦がして 焦がして 灰になるまで踊りましょう 一夜限りで終わるなら なおさら美しいでしょう ガラスの靴は 砂浜へ置いて帰るわ 明日が来ても わたしは わたしのまま 夏よ どうか醒めないで