
冬の帰り道 暗がりに 呼吸だけが伝う 白い吐息が あかりに照らされ 夜風に溶け 空へ ほどけていく 君に伝えたかったことが 熱を失っていくような気がして ふと 息を細めた 僕は怯えて 君の 消えてしまいそうな白い手を そっと握る 君は驚いたように 少しだけ目を丸くして 何も言わずに笑った その笑みが 凍える空気を ひとつ溶かして 僕の胸に落ちてくる 遠くで雪の気配がして あかりの下 君の影が伸びる 僕はその隣を歩きながら ただ 君の熱を確かめていた この街では 君の温もりだけが みちしるべなんだ

