七色の傘……虹の傘 灰色の空が 地に落ちて 風さえ 色を忘れた 瓦礫の隙間 縫うように 足音だけが 生きていた 何もかもが 鈍い影 赤も青も 消えてった それでもまだ 歩き続けて ただ俯いて 俯いて 七色の傘 虹の傘 ビニールに滲む 光の欠片 拾ったその日 小さな影が いつの間にか そばにいた 夜は暗く 昼は 陰り 道端に 転がる 空の器 でも黒い毛並みは 確かに 温もり 残してた 不思議と気の合う 旅の連れ 黙って並んで 歩いてる 雨の降る夜 拾った傘を 屋根の代わりに 一緒に眠った 疲れと乾きに むしばまれ ひとりと一匹は弱ってく 日が昇っても寒いまま 色の無い世界には 温もりも無い この腕の中の 黒い毛並みだけは 温かい 足は重く 息は白く もう動かないみたいだ 崩れた壁の陰に並んで 最後の力で 傘を広げた 傘を透かして 重なる景色 顔を上げて 眺めた世界 灰に煙る 遠くの丘も 虹色に揺れて 優しく滲む 言葉はいらない 鳴き声もいらない 黒い背を撫でた手の温もり 静かな鼓動が 二つ重なり 時間の中に ゆっくり溶けてく 七色の傘 虹の傘 もう動けなくても ここでいい ここでいいんだ ビニールが染める 最後の光 淡く 柔らかく 満ちていく 灰色の世界の果てでも 虹はまだ 消えない 虹色の世界をゆこう 虹色の傘…

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