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剥製生物館

V5.5

剥製生物館 -Lyrics- [Intro] …先日、博物館を訪れた際 独特の時の流れの中で、 今という輪郭が揺らいでいました。 そんな中、たまたま「死体旅行」という言葉を見つけて、なぜか、書かずにはいられなくなりました。 おそらく、詩を書くといういわば無から有を作る行為が、自身の、時間軸側の輪郭固定に必要な鍵となることを無意識のうちに感じたんだと思います。 この詩は、私の内側から摘出した気配そのものです。 剥製生物館 [Verse 1] 動かない目の クジラ見ながら 誰もいない 錆びた柵を たぶんここだと くぐり抜ける スカートの ポケットには 「片道」の文字が かすれたチケット 大切なはずの 薄い紙切れ [Pre-Chorus] 「それは触るな」って 声がして 目の奥で 光が散った 大きな振り子に ぶつかって 気がついたら 飛んでいた [Chorus] きっと自分で ここにきた 上も下も もういらないや 作り物の森を すり抜けて 羽を広げて ポーズをとる 飛べば迷路も 関係ない 壊れていても 問題ない ガラスの目が 見てるから 最後までちゃんと ここにいるよ [Interlude] [Verse 2] 並んでいるのは 静かな群れ 同じ縫い目の 違う番号 「動かないでね」って 手が伸びて いつの間にか 止まってた ペリカンみたいに 口の奥は 空っぽなのに 深すぎて のぞいたままで 崩れていく そのまま綿に 混ざっていく [Pre-Chorus 2] 息をひそめて 立ち止まる 暗さの向こうの 動かない影 瞬きひとつ 許されず 上へ上へと 沈んでいく [Bridge] 振り子時計の 鐘が鳴る 遠くで展示が 沈んでいく 有機の壁から 濁ったクジラの目が そっと近づいて 私を値踏みする [Chorus 2] ここではみんな 軽いんだね 重さなんて 最初からない 名前も声も 剥がされて 皮膚一枚で 澄ましている 飛ぶためじゃない この羽は 終わりなんて 決められない くり抜かれた心臓は ただの重り 足元で冷たく 転がっている [Outro] わたしだった首にも 赤い縫い目 なにが展示か わからないまま 固定された 時間の個数を ガラスの目で 数えてる [End]