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タイムスリップしたら〇〇時代だった|お題:ニーナさん

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V6

目覚まし時計が鳴る前に 部屋の景色が裏返った 昨日の続きのつもりなのに 空には見知らぬ月が三つ 交差点には信号もなく 人は静かにすれ違う 耳にイヤホン差してみたけど 「音楽」という項目がない 西暦三〇二六年 ここは音楽を忘れた時代 笑うことなら知ってるくせに 誰も歌い方を知らない 僕が鼻歌こぼしたら 街中の時計が止まった 「今の音は何ですか?」 銀色の少女が振り向いた 歌え 歌え 千年先へ 名前も知らない未来の空へ 胸の奥から飛び出した 説明できないこの響き 世界が僕を忘れても このメロディーは消せないさ 一人ぼっちの歌声が 未来の扉を叩いてる 少女は僕の手を引いて 地下の図書館へ走り出す 厳重に封印された棚 そこには古いレコード盤 「昔は誰もが歌えたの?」 「悲しい時にも歌ったの?」 僕は少し考えてから 「嬉しい時にも歌ったよ」 針を落としたその瞬間 埃の中から声がした 聞き覚えのある旋律に 僕の心臓が跳ね上がる 歌え 歌え 千年先へ 誰かが残した小さな願い 機械仕掛けの街灯が 一つまた一つ色づいて 少女が初めて口ずさむ たどたどしくも美しい声 僕の知らないこの時代に 新しい歌が生まれた だけどレコードの裏側 小さな文字が刻まれてた 「この歌を未来へ託す」 その下に僕の名前があった どうして? 僕はまだ この歌を作っていないのに 歌え 歌え 時を越えて 昨日と明日をつなぐように 僕が未来で見つけた歌を 過去の僕が残すのなら 始まりなんてどこにもない 終わりもきっと決まってない 千年先の君に届く 最初の一音になれ 気づけば元の部屋だった 時計は午前七時五分 夢だったのかと笑いながら 机の上に目を落とす 見知らぬ銀色のレコード そこには一行だけ 「次はあなたが歌う番」 僕はギターを抱き上げた