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骨針の幻影

V5

ああ 神経は 針みたいに細くて 薄い月明かりを 貫いてにじみ出て 疼きの糸が 記憶を絡め取って 骨の奥深くに 静かに縫い付けられる ねえ 闇の隙間で 骨がざわついて 針の音が 夢と現実のさかいめを裂く 忘れられない名前を 刻むみたいに 私は骨に 一つずつ針を刺していく 痛みの底で 幻の苦さを思い出す Ah… ほら 世界は歪んだ鏡の破片 “美”は泡みたいに 儚く散っていって 泡の奥に 冷たい光が潜む 眩しさに 壊れそうな甘い味 Ha… 舌の奥底に 音が果実みたいに熟れて 旋律は肌を裂く刃の冷たい息吹 はやりの甘い仮面を 剥ぎ取れないまま 無味の仮面が(私に)微笑みかけて ああ… 擦れ合う声が 心を優しく撫でて 壊すことで しか響かない本物の音 正しさの影に 眠る願いの欠片 骨に刺さる針が 光を幻に紡ぎ出す 今 その痛みが 歌の旋律になる Hey… 見えない色を 見て感じ取る 聞こえない温度を 聴いて覚える それだけで Ah… 胸の静けさが 唯一の安らぎの巣 骨の響きが遠ざかり、針の音が溶けていく 骨の響きが遠ざかり、針の音が溶けていく ああ… ほら… 消えていく