
[Verse 1] 朝の四時 まだ眠るパリの街角 白い小麦粉が 指をかすめて舞う オーブンの仄暗い オレンジだけ この胸の熱さを 知っている [Verse 2] 七時のベルが 静かに鳴り響く シーツの匂いを残した 霧の向こう 濡れたコートの 寡黙なあなた 低く静かに響く「merci (ありがとう)」 [Chorus] 差し出す紙袋 一瞬の邂逅 触れ合った指先は ひどく冷たい 皮膚の裏側を そっと火傷させる 静謐な日常が 甘く狂い出す La pluie d'octobre (十月の雨) [Verse 3] 窓を抉る雨 おくれて鳴るベル ずぶ濡れの髪から 雫が伝う 私はカウンターの 境界線を越え 暗がりの声を そっと差し出す [Bridge] 「Si ça ne te dérange pas, fais sécher mes vêtements」 (もしよかったら、服を乾かして) あなたは何も言わず ただ頷く 小麦粉の香る 店の奥の部屋へ 「Donnez-moi cette chemise mouillée, s'il vous plaît.」 (その濡れたシャツをください) [Verse 4] まきオーブンの熱が 残るアトリエ 湯気の向こうに 浮かぶあなたの顔 温かいスープと お店のパンを そっと机の上に 差し出した [Verse 5] 「Merci de nous rendre visite régulièrement」 (いつも来てくださってありがとう) その台詞が 二人の湿度を上げる スープをすする唇 パンをちぎる手 ほどけた沈黙が 肌を焦がしていく [Piano Solo] [Chorus] 乾いていくシャツ 剥き出しの肌 寡黙なその手が 私の髪に触れる 息が詰まるほどの 深い抱擁(ほうよう) 外の激しい雨さえ 消えていく La mémoire de la peau(肌の記憶) [Outro] 朝の光が 二人を照らすまで 言葉はいらない Un rendez-vous secret et sensuel (秘密で甘美なランデブー)


