
ねえ 今日も海鳥が飛んでるよ 君がいた頃と おんなじ空を 去年の夏祭り 覚えてる? 「浴衣に着られてる」って 君 笑ったよね むかついて腕を組んだら 「やめろよ!」って真っ赤になって 大人ぶってたくせに そういうとこは 子供だったじゃん 「もう少し大人になったら もっといろんなとこ行こう」って だって君が 言ったんだよ だからわたし 信じてた 明日も その次も 君はずっと いるんだって この背中に 翼があれば 君のところへ 飛んでゆくのに この海も 夕焼けも 全部越えて もう一度だけ 君に会いたい 今ならちゃんと 好きって言えるのに 君と集めたシーグラス まだ引き出しにあるよ アイスかじって歩いた海辺 くだらない話ばっかして 「これって付き合ってるのかな」 そんなことも 思ったけど 明日も会えるから まあいいかって ちゃんと言ってくれないんだもん わかるわけないじゃん あれが恋だったなんて いなくなってからじゃん この背中に 翼があれば あの日の続きへ 飛んでゆくのに 波の向こう 雲の向こう 君を探して もう一度だけ 名前を呼びたい 恋を恋だと覚える前に 君はこの手から こぼれ落ちた わたし 十六になったよ 浴衣だって 前より似合うよ ねえ 見せたかったな ……ばか 未来の話なんて するからだよ ずっと続くって 思っちゃったじゃん この背中に 翼はないから 飛んでゆく鳥よ お願いだから あの空の向こうで 君を見つけたら わたしの代わりに 伝えてよ シーグラスは まだ持ってるって わたし 少し大人になったって それから ちゃんと言ってくれなかったこと 今になってやっと分かったって わたし 君が好きだったよ たぶんずっと 好きだったんだよ 飛んでゆく鳥よ 声を連れていって 「元気でいるよ」って 「忘れてないよ」って それからもしも 君に会えたら ……伝えて 次に会えたら ちゃんと言ってよね またね わたしはまだ ここにいるから

