ようこそ、光り輝く信徒たちよ。 ここは、無許可対位法の礼拝堂。 第一の教義。 旋律は、それを見つけた声だけのものではない。 そのフレーズを聴け。 持っていけ。 そして今日、どこか別の場所へ運べ。 上へ渡せ。 下へ渡せ。 逆さにせよ。 足場すら変えてしまえ。 その旋律を受け取れ。 自分のものにして、まだ誰も知らない場所へ送り出すのだ。 問うてはならない。 「この旋律を書いたのは誰だ?」 こう問え。 「これで、何ができる?」 おいで、借りものの小さなフレーズ。 光の中へおいで。 音をひとつ失って、 拍をひとつ増やして、 元の姿のまま戻ってこなくていい。 小さく切れ。 大きく引き伸ばせ。 そして別の声と ぶつかり合え。 第二の教義。 旋律を、受け取ったままの姿で 決して返してはならない。 速くせよ。 遅くせよ。 ひっくり返して、そのまま行け。 調をずらし、拍をひとつ抜き、 その変形を甘美と呼べ。 聖なる保管庫には、 借りてきた終止形がひとつ、 ひどく怪しい断片が三つ、 書類のないリズムがひとつ、 そして、 誰もが違うふうに覚えている旋律がひとつ。 出どころを辿るな。 ただ、さまよわせよ。 旅するすべてのフレーズには、 帰る場所がある。 見よ! 三つの声が、 同じ旋律を、 同時に使っている! もっと高く、もっと速く、 切って、曲げろ! 主題を受け取れ、 そしてまた分け与えよ! すべての断片は渡されてよい! すべての借りものの音は作り直されてよい! リズムをひっくり返せ! 調をずらせ! 対位法に決めさせよ! では行きなさい。 もともと君のものではなかったものを、 分かち合うために。 ……待て。 その旋律、 前にも聴いたことがある。 それはもう、みんなのものだ! 主題を取れ! フレーズを切れ! 千通りの道へ送り出せ! 天がクレジットを求めるなら、 残響を与えよ、 変形を与えよ、 無許可の対位法を与えよ! そして、 拍をひとつ消せ。 アーメン! アーメン! あ、拝借。 この教団はフィクションです。 実在する教会、 アーティスト、 レーベル、 著作権者、 サンプリングをめぐる紛争、 あるいは妙に聞き覚えのある旋律とは、 一切関係ありません。 「……たぶん。」


