
「俺は何もしてないよ」 そう言って 君はいつものように笑った 私はずっと 君のおかげだと 思っていた 立ち止まった夜も 迷った朝も 隣にいてくれたから ここまで来たと 思っていた だけど君は言う 「選んだのは貴方自身」 前に進むことを決めたのも 変わろうとしたのも 全部 私自身が 選んだことだって 「俺は手助けをしただけ」 「手を差し伸べただけ」 「俺が引っ張ったんじゃない」 「俺が決めたんじゃない」 ただ ここにいるよって 手を差し出してくれただけ その手を掴んだのは私 前を向いたのも私 一歩目を出したのも私 そう言われて初めて ああ 私が選んでもいいんだって 気づいた 嫌われないように 切られないように 誰かに必要とされるように ずっと 誰かが私を 選んでくれるのを待っていた でも 私は誰といたい? 私は何をしたい? 私はどんな時間を 大切にしたい? そんなことを 考え始めたのは 毎日 同じ時間を過ごして 話して 笑って 何気ない時間を共有して 気づけば 君の価値観が 少しずつ 私の中にあったから 君は 人がいなくなることを 怖がらない たくさんの人と出会って たくさんの人と笑って その中から 自分が一緒にいたい人を選ぶ 合わないなら それぞれの道でいい 誰かに選ばれなくても 自分で選べばいい そんな君の生き方を 毎日 すぐそばで見ていた だからなのかな 気づけば私も 選ばれるのを待つだけじゃなく 選んでみたくなってた この人といたい この人とは離れたい この時間が好き もうこれはいらない 私が決めてもいい 「俺は何もしてない」 君はまた言う そうかもしれない でも 君の言葉も 君の笑い方も 人との付き合い方も 自分の人生を 自分で選ぶ姿も 知らないうちに 私の中に残ってる 君になりたいわけじゃない ただ そんなふうに 自分で選んで 自分で決めて 自分の人生を歩いていく 君の生き様に 少しだけ 憧れている 君が歩いてきた道を そのまま真似するんじゃない ただ 君を見ながら 私も 私の人生を 自分で歩いていきたい だから今日も 少しだけ 同じ時間を共有して 少しだけ 君の価値観を分けてもらって 私は 私の足で歩いていく

