
Toさん企画 #クロに歌わせて 参加させていただきました ガス灯ゆれる石畳 硝子越しのワルツ モダンな靴音が 夜を軽く蹴る 絹の袖にひそむ 甘いインクの匂い 夢を綴るペン先が 未来を知らずに笑う 月はただ白く 街を照らすだけ けれど遠い空の奥 黒い波が揺れている 月下浪漫 きらめく夜に咲く幻 蓄音機の針が 夢を回し続ける 月下浪漫 誰もまだ知らない 花びらの下で 静かに錆びる鉄の音 カフェーの窓辺で 煙草の煙が踊る 流行歌は軽く 恋を囁くけれど 地図の端の方で 誰かの靴が鳴る 見えない足音が 国境を撫でていく 月は変わらずに 優しく光るけど その光の裏側で 影はゆっくり育つ 月下浪漫 グラスの氷が鳴る夜 モダンな言葉が 夢を飾り立てる 月下浪漫 静かな胸騒ぎ 紙の花束に 忍び寄る冬の気配 月は知っていたのだろうか この街の笑顔の先を 紅い椿が やがて落ちることを 遠くで鳴る汽笛が 旅立ちの歌ではなく 別れの鐘になる日を 月下浪漫 それでも夜は美しい 儚い光ほど 強く胸を刺すから 月下浪漫 誰も戻れない 夢のその先へ 時代は静かに歩き出す ガス灯が消えるころ 月だけが残る 浪漫という名の夜を そっと見送るように

