
子どもの頃に描いた地図 端っこに書いた小さな星 どこへ行くかも知らないくせに 世界は全部 僕のものだった 百円玉を握りしめて 遠くへ行ける気がしていた 夕焼けまでが冒険で 帰ればカレーの匂いがした いつからだろう 明日のことを 楽しみより先に 心配するようになったのは ポケットの中に宇宙があった 何にだってなれる気がした 泥だらけの靴で走った あの僕はまだいるかな ねえ 未来の僕へ ちゃんと笑えていますか あの日書いた夢の続き ひとつくらい叶いましたか 押し入れの奥 古い箱 色褪せたノートを見つけた 下手な文字で書いてあった 「大人になった僕へ」 思わず少し笑ったあと なぜだか涙が落ちてきた 忘れていたはずの景色が 昨日みたいに蘇る 秘密基地も 夏の匂いも 名前をつけた あの一番星も なくなったんじゃない 僕が少し 見なくなっていただけなんだ ポケットの中に宇宙があった 小さな手には大きすぎた それでも本気で信じていた 未来はきっと綺麗だって ねえ 昔の僕よ 少し遅くなったけれど 君が待ってたその場所へ もう一度歩いてみるよ 夢は叶わなければ 意味がないと思ってた でも違った 夢を見たから 歩けた夜があった 諦めたから 出会えた人もいた 遠回りしたこの道も 僕の人生だったんだ だから ポケットの中の宇宙を もう一度そっと広げよう 子どもの頃ほど無邪気には 信じられなくてもいいから 泣いた日も 逃げた日も 何もできなかった夜も 全部連れて 今日の僕で 続きを描いてみよう ねえ 未来の僕へ まだ夢を持っていますか もし疲れてしまったなら この歌を思い出してよ 世界はきっと 思っていたより 難しくて 不器用で それでも時々 驚くくらい 綺麗な空を見せてくれる 夕暮れの帰り道 ポケットに手を入れた 何も入っていないのに なぜか少し温かかった あの日の僕が そこにいる気がした 「まだ行けるよ」 そう聞こえた気がして 僕はまた 歩き出した 小さなポケットに 大きな宇宙を入れて

