
人工衛星の残響 透明な都市回線 硝子の塔の上で 夜が静かに浮かぶ 透明な歩道橋 銀色エレベーター 浮遊する広告文字 静かな衛星信号 人の気配より先に 光だけが流れてゆく 都市の輪郭が 軌道上へ浮かんでいた 月面みたいな静寂へ 感情まで浮遊してゆく 重力を失くした夜が 硝子の街へ広がる 誰にも縛られず どこにも沈まない ただ光っているだけの 軌道を描いてゆく 高層都市の反射 青白い通信ライン 眠らない衛星群が 夜空へ信号を返す 無重力みたいな時間が 静かに流れてゆく 知らない季節の入口で 新しい座標を探した 送信された光が 夜空へ広がってゆく 月面遊歩道から 次の朝を探している

