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残響の夏 (Remake ver)

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幾たび夜を越えしのち ようやく故郷へ帰り来る 懐かしきはずの風さえも 何処か遠くに感じけり 山の端に立ち見渡せば 見知りし町は影もなく 賑わい満ちしあの道も 灰の色へと変わりたり 君の待つ家を探しつつ 足を急がせ進めども 聞こゆるものは風ばかり 人の声さえ失せていた 夏空よ 何を見届けたるや 流るる雲よ 何を知りたるや 崩れし柱 焼けし庭 見覚えある縁側よ 軒に吊られし風鈴は 今も静かに揺れており ふと手に取ればその傍ら 煤けた時計ひとつあり 八つ十五を指したまま 時だけが止まりたり その時 ようやく悟りぬ 君は最後まで ここで待っていたのだと 朝露はまだ消えず 風鈴の音 微かに揺れ 遠き空へ旅立ちし 君を想いて日を重ねる 煤けた紙に残る文字 震える指でなぞりゆく そこに綴られし想いこそ 君の生きた証なり なぜあの日であった 帰ると誓いし我なれど 帰りし先に君はなく 守ると誓いし我なれど 守るべき人は空の彼方 叫べど叫べど届かなく 涙は土へ零れ落つ 夏だけがあの日のまま 我だけが残された もしもあの日がなかりせば 君は笑いて迎えしか もしも戦がなかりせば 共に歳月重ねしか 見上ぐる空は今もなお あの日と同じ青なれど 帰らぬ人の願いだけ 静かに風へ溶けてゆく 風鈴ひとつ 揺れていた その音だけが 君に似ていた