
[verse1] ゆらゆらと、ツグミの声が ベルトコンベアを流れてく。 孔雀の羽は、幾度となく 潰され、挟まれ、押し花になる。 ぬるいコーヒー、おいしそうに飲む。 コップを洗うの、いつも最後で。 水を掛けあうみたいに、冗談を重ねあったよね。 それなのに、 [pre-chorus] 肩にもたれて眠るキミを、 奈落の底へ落とせることに 気づいてしまった。 そんなこと、知らなくてよかったのに。 [chorus] 「愛してる」にはマグカップ 「隠してる」には抱擁を 繋いだ手には爪を立て 怯えたキミを見て、映画みたいって。 許さないで。返してよ。 何も知らずにすんだ、あのころを。 [verse2] ふわふわと、シャボンの玉が 西日の向こうへ流れてく。 名残の雪は、幾度となく 掬って、握って、水になる。 くだらない話も大袈裟に笑う。 自分の話はいつも最後で。 仕事の愚痴にも、朝が来るまで付き合ってくれた。 それなのに、 [pre-chorus] 歩幅をあわせて歩くキミを、 押すのも、支えるのも、この手だと 気づいてしまった。 そんなことまで、知らなくてよかった。 [chorus] 「愛してる」にはマグカップ 「隠してる」には抱擁を 繋いだ手には爪を立て 怯えたキミを見て、映画みたいって。 許さないで。返してよ。 何も知らずにすんだ、あのころを。 [breakdown] 角砂糖、ふたつ。 いつものカップへ落としてみる。 ひとつ。 ふたつ。 くるくる、くるくる。 かたちがなくなるまで見てる。 「おいしい?」 ……よかった。 だったら、どうして。 [final chorus] 「愛してる」にはマグカップ 「隠してる」には抱擁を 繋いだ手から爪を抜いて 笑ったキミを見て、今度は私が怯えてる。 許さないで。返してよ。 何も知らずにすんだ、あのころを。 ツグミの声を返してよ。 孔雀の羽をひらいてよ。 潰してしまう、その前に。 [outro] ぬるいコーヒー。 ふたつのカップ。 洗うのは、 今日も私が最後だった。

