
午後4時20分 錆びついた手すりの向こう 赤に沈んでいく 見慣れた街 視線の置き場に困ったまま 気の利いた言葉も 言えずに 定刻を待っていた 伸びていく長い影が 君の足元を 黒く塗りつぶして 境界を跨げない 僕の迷いを 鮮やかな色が 嘲笑っていた 遠くの鳴動が 喉を震わせて 僕らの終わりを 連れてくる 伸ばした手を 宙ぶらりんにして 押し出した風が この思いをかき消そうとした ※ 飲み込みかけた 想いの端っこが 君には届かないままで さよならの合図は 黄昏色と共に過ぎ去って 足元の警告色が 境界を引いていく 動けない線の内側で 夕凪に立ち尽くした僕を置いて 秒針は定刻通りに 夜を連れてくる 滑り込んだ無機質が 茜色に染まった空まで塗りつぶすようで 名残惜しいように 人混みに紛れて 踏み出した一歩が 戻れない合図だと 繋ぎ止めていた 視線の糸が切れた 微かに漏れた 掠れた音は 言葉になる前に ただ熱を帯びて あと少しの 猶予さえ 無情な合図が 奪い去っていく その一瞬だけなのに 僕には永遠に 感じられた ※ かき消されていく 想いの端っこが 僕には届かない場所へ さよならの合図は 黄昏色と共に過ぎ去って 足元の警告色が 境界を引いていく 動けない線の内側で ありったけの笑顔を 無理矢理貼り付けて 滲んでいく世界を ただ見送っていた 零れ落ちた 夜の始まりが アスファルトに沁みを作っていく 何も聞こえなくなりそうな 痛いくらいの この世界で 心臓の音だけが うるさいほどに耳に残って ※ 発車音に遮られた 4文字を 誰もいないこの空に 打ち上げるから さよならの合図は 黄昏色と共に過ぎ去って 足元の警告色が 境界を引いたとしても 届かない答えを 剥ぎ取るみたいに 動けないここから 君へと叫ぶから 今はただ 振り上げた手を 下ろせないままで

