
[Spoken Intro / Monologue] ええと、これは物語ではありません。 少なくとも、物語と呼ぶには 理由が多すぎて、感情が足りない。 説明はできます。 整理もできます。 でも、それで何かが救われた記憶は 一度もありません。 ——さて、どこから話しましょうか。 最初から? それとも結論から? まあ、どちらにしても 同じ場所に戻ってきます。 [Verse 1] 主語を立てて 述語を並べ 感情を注釈に追いやって 「つまり」「要するに」で 大事なところを削っていく 矛盾は棚に上げたまま 論理だけが綺麗に揃う 理解した瞬間に なぜか心だけが不在 [Pre-Chorus] 正しさはいつも多弁で 沈黙に居場所を与えない 語れば語るほど 本音は言語化を拒む [Chorus] I explain, therefore I disappear 説明するたび薄くなる 答えはいつも 感情を置き去りにする 冗談めかした独白で 深刻さを誤魔化して わかった顔をしたまま 何も掴めずに立っている [Verse 2] 原因、結果、前提条件 全部揃えば安心らしい でもその式のどこにも 「寂しい」は含まれてない 納得はとても親切で 違和感を静かに殺す 理解できた世界ほど 息がしづらくなる [Pre-Chorus] 思考はいつも饒舌で 感情を代弁したがる でも代弁された気持ちは もう本物じゃない [Chorus] I think, therefore I fracture 考えるほど割れていく 真実はいつも 説明よりも曖昧だ 軽い言葉 巧い比喩 それが盾になる夜もある だけど剥がれたその奥で 空白だけが残ってる [Bridge / Monologue] ここで一度、整理しましょう。 問題は三つあります。 ひとつ、理解できてしまったこと。 ふたつ、理解できたと信じたこと。 みっつ、それを誰かに話したこと。 ……どれも致命的ですね。 [Final Chorus] I talk, therefore I stay here 離れられず語り続ける 言葉しか持たない僕は 言葉に裏切られながら ほどかなくていい謎まで 丁寧に壊してしまって 物語は終わらず 説明だけが増えていく [Outro / Spoken] 結論は出ました。 でも、安心はしていません。 たぶんこれが答えです。 そして—— 答えがあること自体が、間違いです。

