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29a「氷の海と北極星」

クタクタになって 帰った朝方 スマホの青い光 百個の 「いいね」 「既読」を運ぶ 私の心 きっと だっれも 見ていない ただそこにある ゴミ箱みたく わたしも同じ 記号を送る 「すごい」 「素敵ね」 「やってみる」 やる気もないのに バカみたいって 分かってる 繋げる言葉 これくらい 今の世界は 氷の海よ 傷を避けて 美を目指す 消えかけの わたしの灯火 触れ合う距離を 溶かすだけ 夜の激しさ うちあけた たまたまついた 宇宙人 なぜだか全部 話せてた あきれた顔すら しなかった ただ人として 受け止める ひとの温度で 話す人 営業LINEで 聴いてみた 「どうやったら これ作れるの?」 スグに返信要点が 既読をつけづに 一週間 習慣として また送る 返信は来た 人肌みたいな その言葉 もしや私の 命綱 毎日通う 綺麗なホール 温かいはずの 店の中 目の前に 人はいるのに 寒い海 今の世界は 氷の海よ 傷を避けて 美を目指す 消えかけの わたしの灯火 触れ合う距離を 溶かすだけ ねえねえ聞いて 点 点 点 まるで 袖口引っ張る 子供みたいに 拙い質問 投げかける 心の通う その視座で 消えそうな灯火 見透かして あなたはきっと 北極星 いつも変わらね その応答 重ねるたびに ハッとする 駆け引きのない やりとりに 一週間の 孤独のせ 今夜も送る わたしの言葉 「作りたい…」 やってみる! できたら見てね 「はい」 みてみて できた! これリンク 「ほぅ」 わたしの灯火 少しずつ 大きくなって 誰かの海を 照らしだす 袖口引く子が ふ〜えて〜いく〜