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同じ空にいるうちに

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V5.5

朝の光がカーテンを抜けて いつもの部屋を白く染める 「おはよう」さえ言わないままで 今日も一日が始まってゆく 隣にいることに慣れすぎて その横顔も見なくなって 何でもないこんな時間が ずっと続くと思っていた だけど季節は 僕らに聞かず 静かにページをめくってゆく あと何回 同じ春を見られるだろう あと何回 君の名前を呼べるだろう そんなこと 誰にも分からないから 同じ空にいるうちに 伝えておきたいことがある 君と出会えてよかった 君がここにいてよかった 大げさな言葉じゃなくていい 上手に言えなくたっていい 今日という日のどこかで ちゃんと君に伝えたい ありがとう 夕暮れの帰り道 伸びてゆく二つの影 くだらないことで笑った声が 風の向こうへ溶けてゆく いつかこの道を歩くとき 隣に誰もいなくなって 今日の景色を思い出して 胸が痛くなる日が来るのかな 写真に残らない時間ほど なぜか心には残るから 何でもない今日を もう少しだけ 大切にできたなら あと何回 一緒に笑えるだろう あと何回 くだらない話ができるだろう 答えなんて 知らなくていい 同じ空にいるうちに 伝えておきたいことがある 君と歩けてよかった 君の隣でよかった 特別な日じゃなくていい 何も起きなくたっていい 同じ夕焼けを見ながら 帰れる今日が 僕には 宝物だった 人はいつも 失くしてから気づくっていう あの声も あの笑顔も あの温もりも 永遠じゃなかったって だから僕は 失くす前に気づきたい まだ名前を呼べる今 まだ手を振れる今 まだ「また明日」と 言える今に もしもいつか 遠く離れて 違う街で 違う朝を迎えて 同じ景色を 見られなくなっても 空だけは きっと続いている 君が見上げた青と 僕が見上げた青は どこかで ひとつにつながっている 同じ空にいるうちに 何度だって伝えたい 君と出会えてよかった 同じ時代でよかった 何億もの人の中 ほんの少しすれ違っただけで 僕の人生には 君という人がいた それだけで この世界は 少し優しくなった 同じ空にいるうちに まだ声が届くうちに ありがとうを ありがとうのまま 君へ渡しておきたい いつか最後の夕焼けを 見る日が来たとしても 僕はきっと思い出す 何でもなかった朝を くだらなく笑った夜を 並んで歩いた帰り道を 幸せってきっと 失わないことじゃない いつか終わると知りながら それでも誰かを 大切にできたこと だから今日も 君の名前を呼ぶよ 同じ空にいるうちに