あぁ… --- 階段をくだる 白い粒が はらり 途切れそうな記憶を 手探りで掻き集めた 凍てつく風が 肌を静かに刺して 遥かな情景だけ 空を渡っていく --- 剥がれ落ちた感情は 忘却の底へ沈み 僅かな綻びから さいげつが零れていく --- 何一つ残らない 跡形もなく 掬い上げた欠片さえ 指先をすり抜けて 切ないほど 白く揺れていた 儚い結晶が 心を流していく --- 見失っていく 可憐な面影 泥まみれのまま 抱え込んだ温度 ゆらり ゆらり 風に攫われながら 数え切れない季節を ただ見送っていた --- 凍てついたさいげつが 静かに降り積もって 結び直した記憶も ほどけて消えていく --- あぁ… --- 朽ちて果てる前に その名を結び直して 剥がれ落ちる欠片を 拾い続けていた はらり… --- 何一つ残らない 跡形もなく 遥かな記憶だけが 胸の奥を漂う 切ないほど 静かに色褪せて 白い結晶は 空へ還っていく --- 剥がれ落ちたさいげつが 白く舞い散って 途切れそうな心を そっと結び直した 儚いまま 消えてしまうのなら せめて最後まで この手で抱き締めて あぁ… --- はらり ゆらり


