
『紅蓮抜刀』 抜けば救える 抜けば忘れる 鞘の奥で 火が哭いた 夜を裂くように 鐘が鳴る 燃える里へ 影きたる 握るなと 叫ぶ君 この手の震えを 抱きしめて 紅い刃 名を欲しがる 救う命の 代わりにと ひとつ記憶を 火へ投げろと 鞘鳴りだけが 笑っていた 夕焼けひとつ 灰になった 君の笑顔が 少し遠い それでもまだ 君が泣くから 私はまた 柄に触れる 紅蓮抜刀 炎を裂いて 君の命を 夜から奪え 紅蓮抜刀 記憶を燃やせ 斬り落ちたのは 私の明日 紅蓮抜刀 血風を越えて 守りたい声が 胸を叩く 紅蓮抜刀 泣かないで 忘れる前に 君を救う 二度目の火で 約束が消えた 三度目の火で 声を忘れた それでも君は そばに立ち もう抜くなと 腕を掴む 優しい指 熱い涙 なぜこんなにも 痛むのだろう 答えだけが 燃え残らず 灰の匂いが 胸に満ちた 名前だけは まだ残ってる 君の名前を まだ呼べる けれど敵の 刃が迫る 呼ぶより先に 火が走る 紅蓮抜刀 炎を放て 君の未来を 闇から奪え 紅蓮抜刀 記憶を燃やせ 愛した理由も 灰に変われ 紅蓮抜刀 叫びを越えて この身の奥が 君を庇う 紅蓮抜刀 許さないで 忘れる私を それでも見ていて 静まり返る 焼け跡で 刀だけが 赤く息をした 私は誰の ために立つ この手は誰を 探している 君が泣いて 名を呼んでも その音だけが 届かない それでも身体は 覚えていた 君へ向かう刃を 拒んでいた 紅蓮抜刀 最後の火よ 君の命を この夜から返せ 紅蓮抜刀 私を燃やせ 名前も声も 恋も連れて行け 紅蓮抜刀 炎が散って 空の瞳で 君を見ていた 紅蓮抜刀 知らないあなたを 気づけばまた 守っていた 紅蓮抜刀 鞘へ戻れ 灰になった胸で 風を聞いた 紅蓮抜刀 君が泣いてる なぜその涙が こんなに痛い 抜けば救える 抜けば忘れる 私が守る あなたは誰 流れる涙だけ 全部覚えてる

