
フェンス越しの風 アンテナが鳴る ポケットの青い未送信が 指を冷やす 長すぎる言い訳と 足りない本音 削って足して また消して 時刻だけが進む 「ごめん」の角度を 何度も測り直し 送信の矢印だけ 遠いまま 上手さより **角度(むき)**がいる 声量より 温度の行き先 **拍(はく)**をひとつ 呼吸を合わせたら 沈黙さえも 合図になる 屋上の未送信 画面を閉じて 君へ会いに行く 長い文章より 短い「いま」を渡そう 「がんばれ」より「ここにいるよ」 心 × エネルギー(エネシン)= 伝わる力 声が小さくても 灯りは点く 風でめくれた 空のページ 比べすぎの通知音が 胸を曇らせる 君が小さくうなずく それだけで 迷子のメロディが 帰る場所を見つけた 増やすより 削っていい 飾りはいらない 真ん中の温度 “私”から“あなた”へ 主語をそっと入れ替え 距離のメモリが ひとつ縮む 屋上の未送信 送らない強さで 声にして渡す 短い一行が 回路を温める 「つらかったね」を 君の辞書で置いたら 心 × エネルギー(エネシン)= 灯る回路 世界の明度が ひとつ上がる (無音の一拍) 正しさよりも あなたの痛点(いたみ) 触れない距離で そっと守る (無音) 青い未送信が 朝焼けにほどける 屋上の未送信 ゼロだった式に 灯りが差し込む 角度・温度・拍がそろえば 届かなかった声が 歌へ変わる 心 × エネルギー(エネシン)= 変わる世界 矢印の代わりに この足で 「ここにいるよ」を 君の高さへ フェンス沿いの影 風が連れていく 送れなかった言葉より 確かなうなずきが残る

