
対なる存在【装甲戦士ガルド19】
[Intro] Silence falls(音が消える) Flames remain(炎だけが揺れている) Air collapses(空間そのものが軋む) [Verse 1] Black spreads(黒が侵食する) It devours(すべてを呑み込む) Sound disappears(世界から音が消える) Breath slows(呼吸が重くなる) Weight descends(圧が落ちてくる) Gravity bends(重力すら歪む) [Pre-Chorus] Form(この身体は) is overwritten(上書きされていく) [Chorus] This is not human(人じゃない) This is not beast(獣でもない) Incomplete—(未完成のまま) approaching completion(完成へ近づく存在) Its presence alone(ただそこにいるだけで) distorts the world(世界が歪む) [Verse 2] Blue emerges(青が浮かび上がる) Patterns ignite(紋様が発光する) Light engraves the surface(光が刻まれていく) Bone-like shell(骨のような装甲) Horns extend(角が伸びる) Eyes awaken(王の目が開く) [Pre-Chorus] Something(すべてが) has aligned(繋がった) [Chorus] Closer to an answer(答えに近づいた) Beyond a beginning(始まりすら越えて) What was taken(奪った力と) and what was born(生まれた力が) become one(ひとつになる) [Bridge] Not a god(神じゃない) Not human(人でもない) Still—(それでも) it stands(王はそこに立つ) Silence(静寂が) crushes(すべてを押し潰す) [Final Chorus] This is the king(これが王だ) This is(これが) incomplete perfection(未完成の完成形) Two forces converge(二つの力が重なり) into one form(ひとつの姿になる) The world(この世界は) will not return(もう元には戻らない) [Outro] White(白く) eruption(弾けた) 【End】 【Episode Story】 【第19話・対なる存在】 炎の中。装甲戦士ガルドが立っている。その正面。動かない影。オルディアの王。 王は、ゆっくりと笑った。 「……いいね」一拍。 「やっと、戦う準備が整ったって感じだ」 そして、微笑む。 「それじゃあ――、ぼくも本気を出さないとね」 二つの存在が向き合う。風が止まった。主人公の視線が鋭くなる。王はゆっくりと一歩、踏み出す。 それだけで。地面がわずかに軋む。 「覚えてる?前に、ぼくの部下が君の力を一部だけど取り込んだこと」 主人公の目がわずかに動く。王は楽しそうに続ける。 「もう弟に聞いたかもしれないけど、ぼくの部下はね…全部、ぼくの分身体なんだ」 手を広げる。 「だからさ。君のガルドシステムの一部と、弟の力の痕跡は――」 ゆっくりと、自分の胸に触れる。 「ちゃんと、ぼくの中にも流れてきてる」 主人公の装甲がわずかに軋む。王は続ける。 「もともと、ぼくの肉体は完全じゃなかった。この姿は、ガルドシステムを使って得た身体だけど、決定的に何かが足りなかった」 一拍。 「でも――」笑う。 「君のおかげで、少しだけ補えた」 ゆっくりと手を広げる。 「完全じゃない。でも、前よりはずっと『完成に近い』」 視線を向ける。 「だからさ」 軽く言う。 「ぼくも、ちゃんとやろうか」 空気が変わる。次の瞬間。王の体に、黒い粒子が広がる。侵食するように。静かに。確実に。色が塗り替えられていく。青い光が浮かび上がる。紋様が刻まれる。体表に走る、幾何学的な発光。音が消える。重力が増したような圧。主人公の呼吸がわずかに乱れる。 (……重い……) 王の輪郭が歪む。頭部が変質する。角が伸びる。骨のような外殻。獣とも、人とも違う、『王』の顔。 白い装束が展開する。金の装飾。マントが静かに広がる。炎の中で揺れる。神聖さすら感じさせる姿。だが――その奥にあるのは。圧倒的な異質。地面が沈む。空気が押し潰される。完全に別の存在。オルディアの王が、そこに立っている。 静寂。王が口を開く。 「これが、今のぼくの形」 一拍。 「君の力と、ぼく自身の力で組み上げた――ガルドシステムの未完成の完成形」 主人公は息を呑む。だが、構えは解かない。 王は微笑む。 「どう?これなら、もっと楽しく遊べそうでしょ?」 沈黙。炎が揺れる。主人公は一歩踏み出す。 「……ああ」 低く。 「やっと、同じ場所に立てた」 王の目が細くなる。 「へぇ」 少し嬉しそうに。 「そう思うんだ」 主人公は構えを強める。 「ここから先は――」 一拍。 「もう、引かない!」 王は笑う。 「いいね、その顔」 一歩、前へ。主人公も踏み込む。二つの存在が、ゆっくりと間合いを詰める。 炎の中。完全な『対』。王が静かに言う。 「じゃあ――、始めようか」 主人公が答える。 「来い!」 次の瞬間――視界が、白く弾けた。 重い衝突音が、空間を引き裂いた。


