
まだ消えない 君の熱を 夜のせいにして 結んだ髪に 触れるたび またほどきたくなる 窓ににじんだ街の灯り 見つめる君の横顔 その指先に戻る光を 今だけ見ないふりをした 帰る君ほど 欲しくなる 届かないほど 近くなる もう少しだけ このままで 誰の名前も 呼ばないで 帰る君ほど 欲しくなる 夜が明けるほど 欲しくなる 愛じゃなくても かまわない 今だけ僕を 選べばいい 重ねた香り 直した髪 少し冷めた唇 ひとつずつ 消してゆく 僕といた気配を 何もきかない 何も言わない それが二人の 優しさなら どうして君は 帰り際だけ そんな目で僕を見る 帰る君ほど 欲しくなる 触れないほど 欲しくなる うばえないなら せめて今夜 誰のものにも 戻らないで 帰る君ほど 欲しくなる 忘れるほどに 深くなる 約束なんて いらないから 次の夜だけ 残してゆけ 「またね」 それだけで 僕はまた 君を待つ 帰る君ほど 欲しくなる 帰る場所など 知らないふりで もう一度だけ 振り向いて 今夜の君を 置いてゆけ

