青いギターが欲しかった 始まりなんて そんなもんだ 大盛り三杯 食えたなら そいつを俺にくれるらしい 仕事帰りの門前仲町 腹を空かせて店に入る 楽勝だろうと笑ってた 若さはいつも 計算が甘い 目の前に来た 最初の一杯 でかい まあいい 食えばなくなる 一杯目 まだ 美味い 二杯目 まだ いける 青いギターは もう俺のもの そう思ってた 勝負は麺じゃない 汁だった 背脂まで 飲み込んで 腹の中で 波が立つ 美味いはずなのに 箸が重い 意地まで飲めとは 聞いてない それでもここで やめられない 夢より重い 背脂だった 三杯目 あと少し もう少し 青いギターは すぐそこなのに 頭は行けと言う 身体はやめろと言う そしてとうとう 箸が止まった 三杯目 俺の負け 夢はどんぶりの 底に沈んだ ギターもない 金も消えた 残ったものは 腹いっぱいの敗北 若さと意地で どこまで行ける その答えなら 二杯と少し 帰りの電車 携帯が鳴った 真琴からのメール 画面を開く そこにあった ラーメン その文字を見て 吐き気がした


