鉛筆削りが 夜中に回る 性格までを 丸くしていく 尖った言葉を 差し込むたびに 削りかすだけ 机に積もる 正しさだけで 人を刺してた 若い芯先が 少し怖かった 言い返せた日の 誇らしさまで 今は小箱で 粉になってる 職場の角で 笑顔を貼って 飲み込む言葉が 増えていく 優しくなった わけじゃなくて 折れないように 削られている 鉛筆削りが 私を削る 角ばる気持ちを 丸めていく 怒りの先端 黒く光って 紙に触れる前 短くなる 鉛筆削りが 私を削る 大人の形に 近づけながら 本音の長さが 減っていくたび 丁寧な文字だけ 上手くなった 引き出しの奥 古い鉛筆 噛み跡だらけで 眠っている あの日の私は 尖りすぎても 書きたいことだけ 持っていた 丸くなるほど 楽になるのに 何かを少し 失くしてしまう 削られた分の 小さな私が 透明な袋で 息をしている 鉛筆削りが 私を削る でも全部までは 奪えなかった 短くなっても 芯が残れば まだ言葉には なれるらしい 鉛筆削りが 私を削る 痛みの音が 少し優しい 尖るだけでは 書けない線を 丸くなった手で 引いてみたい 机の上に 削りかすの山 無駄に見えても 私の跡だ 角を失くした 今日の芯先で 明日の余白へ 名前を書く