錆びた窓の 隙間から 音もなく 夜が染み込む 誰にも 触れられない傷を 指先でなぞり 確かめる 壊れてしまった ラジオが鳴らす ノイズの中の 子守唄 胸の鼓動と すれ違い 生きてるふりの 声だけ残る ああ、世界が ひび割れる ぼくの中の ぼくが嗤って 血のように赤い 夢を喰べた 終わりは無いと 呟やくように 教室の隅 沈む光 言葉は刃よりも 冷たく 誰も知らない ぼくの中で 黒い花が 咲いては散った 無垢な影が 重なって ひとつの形に 戻れない 笑顔の裏に 潜む言葉が ぼくを正しく 怪物にする 祈りはもう 届かない ただの音になり 溶けていく 閉じた瞳の 奥でだけ 何かが静かに 壊れ続ける ぼくを見つめる 赤い目が 恐怖みたいに 憧れみたいに 同じ痛みを 抱えたまま 君の影を 撫で殺した 世界が優しく 沈む夜 ひとつの光も 要りはしない ぼくの中の 君を壊して ようやく歪な 息をする