
ずーっと前からあるこの樹 子供の頃からあるこの樹 ときどき花が咲くんだよ 今年は2回も咲いたんだ そんなに大きくない幹 華奢でしなやかな枝 下向きでシャイな葉っぱ 今日もいつもどおりのキミだった そこにあることが当たり前だから 特別なにも感じないよ キレイに晴れた楽しい日 モヤモヤ心の曇った日 キミは変わらずに ボクを見下ろしてる ちょっと偉そうだけどさ キミだから許してるんだよ 赤くてちっちゃな実をつけた キミのはとっても不味いんだ そんなんじゃ鳥も食べないよ タネを運んでくれないよ 葉っぱより少しとびだして 並んだ真っ赤なつぶつぶは 晴れ着を纏った女の人の 綺麗な簪みたいだね 季節毎のお色直し ボクはちゃんと見てるからね 切ない秋の夕暮れに 静かな静かな宵闇に そんなにおめかししちゃってさ 恋人はまだ来ないのかな? あんまり言いたくないけど その恋 応援してるからね ボク達はお礼に桜を送りました 彼らはお返しにキミを送ってくれました 世界とケンカをしたときに キミはどこかに行っちゃって みんなで探したんだけど 見つからなかったみたいだよ いまここにいるキミの おじいさんの話かな? ひいおじいさんの話かな? キミは知らないだろうけど 仲直りできてうれしいよ キミの恋人が来る頃まで ボクの時間は待ってくれない きっとキミにお似合いの 素敵な彼氏に決まってる だってこんなに長い間 一途に待ってるんだもん あの有名な映画のワンシーンみたいな フィナーレを期待してるよ これからもずっと ここで会おうね

