
[Intro] (Smoky upright bass & brushed snare, whispery vocal) 銀の灰皿 伏せたグラス 貴方の席だけ 空けてあるの [Verse 1] 赤葡萄酒(ぶどうしゅ)の輪が 卓(テーブル)に咲く 指でなぞれば 夜がほどける 帰る時刻(じかん)は 訊かないでいて 答えはいつも 貴方の胸の内 [Pre-Chorus] (Accordion swells, tempo slightly builds) 鍵をかけても 胸は開いたまま ひとつの名前を まだ待っている [Chorus] (Up-tempo swing jazz, sultry brass section enters) 貴方しかいない 貴方しかいないの 笑みの裏側 息が急(せ)く 今夜を逃せば 二度と逢えぬ気がして この手を取って ねえ、早く 貴方しかいない ただそれだけなのに 口にするたび 追いつめられてゆく [Verse 2] (Tempo drops back to languid lounge groove) 黒いレースに 薫りひとしずく 鏡に映る 見知らぬ女(ひと) 「またね」の嘘を 上品に畳み 隠した指先 ぎゅっと爪を立てた [Pre-Chorus] 時計の針が ほどけて落ちる 貴方の沈黙 飲み干せなくて [Chorus] (Dramatic brass & walking bass) 貴方しかいない 貴方しかいないの 作り笑いに ひびが入る 誰かの名前を 貴方が呼ぶたびに 呼吸(いき)も出来ないほど 狭くなる 貴方しかいない ただそれだけなのに 帰りの扉が 遠ざかってゆく [Bridge] (Beat stops, theatrical spoken-word style to frantic accelerando) 待って、待って まだ行かないで 息をするたび 床が傾くの お願い 今すぐ 振り向いて 貴方がいなければ わたしが消えてしまう もう礼儀も 飾りも かなぐり捨てて この焦燥(あせり)だけは 隠せない [Final Chorus] (Full band climax, breathless and passionate) 貴方しかいない 貴方しかいないの 笑ったままで 声が裂ける 夜明けが来る前に 止めを刺して この手を取って ねえ、早く 貴方しかいない 貴方しかいないの 甘い破滅も 貴方と堕ちるなら [Outro] (Sudden drop to quiet piano & muted trumpet, intimate whisper) 銀の灰皿 冷めたグラス 貴方の席だけ 空けたまま……

