
[Intro — felt piano, distant clean guitar, no drums, long room reverb] 長袖を出した それだけだった [Verse 1 — intimate low female vocal, almost dry, sparse piano and clean chorus guitar] クローゼットの奥から 黒いコートを引っぱり出す 去年は着なかった その前も たぶん クリーニングに出す前に ポケットを全部確かめる 右から 百円玉がひとつ 左から 折れたレシート 日付はもう 読まなくても分かった [Pre-Chorus — bass enters, distant guitar swell, tension slowly rising] 二人分のコーヒー 一人分の傘 その日の私は ちゃんと帰るつもりだった あなたを置いて [Chorus — wide dream-pop drums, layered shoegaze guitars bloom, vocal stays close and clear] 捨てるものを テーブルに並べる レシート 駐車券 期限の切れたポイントカード あなたにもらったものより あなたといた時に たまたま持っていたものの方が なぜか 捨てにくい 窓の外はもう暗い まだ 六時にもなっていない [Post-Chorus — instrumental shoegaze swell, no vocal, feedback dissolves into piano] [Verse 2 — guitars recede, soft half-time drums, restrained vocal] 別れようと言ったのは 私だった 理由もあった 間違ってはいなかった あなたはしばらく黙って そう、とだけ言った あの時 引き止められていたら 困っていたと思う だから あれでよかった たぶん あれでよかった 冷蔵庫の横の袋に 昔のものを入れていく 燃えるものと 燃えないものに分けて [Pre-Chorus 2 — drums thin out, tremolo guitar rising underneath] 指輪はない 手紙もない そんなものを 渡し合う前に終わった なのに コンビニでもらった 小さなスプーンが一本 引き出しの奥から出てくる [Chorus — fuller wall of guitars, restrained melody, no belting] 捨てるものを テーブルに並べる レシート 駐車券 期限の切れたポイントカード あなたにもらったものより あなたといた時に たまたま持っていたものの方が なぜか 捨てにくい あの日の続きを 残したいわけじゃない 続きなんて もうない 袋の口を結ぶ 一度ほどいて もう一度結ぶ [Bridge — sudden near-silence, drums stop, almost spoken close vocal, only piano and faint amplifier hum] コートのポケットに 手を戻す 底の縫い目に 何かが引っかかっている 引っぱり出すと 小さな紙片 [Pause] あなたの字で 「牛乳」 それだけ [Very sparse] 買い物を頼んだ日の メモだった 名前もない 好きとも書いてない 捨てる理由が 見つからない [Instrumental Rise — distant feedback slowly grows, drums re-enter after several bars] [Final Chorus — huge soft shoegaze wall, vocal still intimate, no key change, no triumphant lift] ゴミ袋は 玄関に置いた 明日の朝 持って出ればいい レシートも 駐車券も 期限の切れたポイントカードも 全部そこにある コートだけ ハンガーに戻した ポケットの中には 何もない 何もないはずなのに 右手を入れて もう一度確かめる [Outro — drums disappear, piano and decaying guitar feedback, almost whispered] 「牛乳」と書かれた紙を 財布の 使わないポケットに入れた 窓の外は もう真っ暗だった [Long pause] 明日の朝 ゴミ袋だけ 忘れなければいい [End — unresolved piano chord, long guitar feedback decay]

