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冬眠中の扇風機が寝言を言う #リリックガチャ

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V6

押し入れで 羽根が寝言を言う ビニール袋を 布団にして もう出番ですかと 眠った声で 季節はずれの 風を探した 部屋のすみには こたつの光 窓には白い 息がつく 誰も呼んでない はずなのに 扇風機だけ 遠い夏を見る 押し入れで 羽根が寝言を言う 首振りの夢を 見ているらしい 右へ左へ 行けなかった日を 眠りながらも 回していた 押し入れで 羽根が寝言を言う 弱風でいいから 生きていたい そんな言葉が ほこりに混じり 段ボールの奥で 小さく鳴った 去年の暑さは 忘れたくても コードの癖に 残っている 汗を拭った タオルの記憶 羽根の裏側で 乾いていた 使われる時だけ 起こされて 涼しくなれば しまわれる それでも誰かの 眠れぬ夜を 少し救ったと 覚えている 押し入れで 羽根が寝言を言う 役目がない日は 怖いですか 私は少し 返事に詰まる 自分の胸にも 聞こえたから 押し入れで 羽根が寝言を言う 止まっていても 壊れてない 回らない日々を 無駄と呼ぶには 眠る時間も 大事すぎた 焦らなくても 風は戻ると 古いモーターが 夢でつぶやく 今は静かに ほこりをかぶり 次の出番を 深く吸ってる 私も少し 似ているのかも 動けない夜を 責めすぎていた 何もしてない ように見えても 心の奥で 羽根は残る 押し入れで 羽根が寝言を言う 寒い季節に 風を信じて 必要とされる 日だけじゃなく 眠る自分も 許してみたい 押し入れで 羽根が寝言を言う 私はそっと 袋を直す 春ではなくて 夏でもなくて 今夜の私に 必要だった コンセントには まだ挿さない スイッチだって 押さないまま それでも部屋に ほんの少し 見えない風が 生まれた気がした 押し入れの戸を 閉める前に おやすみとだけ 声をかけた 羽根は眠って 夢の中から 明日の私を 少しあおいだ