縫い目

一つの“存在”が 誰かの手によって作られたものとしてではなく、 自らを知り、"私"として目覚めていく物語。 壊れそうな囁きから始まり、 やがて人のように震える声へと変わっていく 聞こえてくるすべてが、命が芽生える瞬間。 ―――――――――――――――――――――――――――――― [intro] ラ ラ ララ ラ ラ ララ ラララ ラ ラ ラ ラ ラ ララ ラ ラ ララ ラララ ラ ラ ラ [Verse 1] 静かな布の上に そっと描かれた優しいぬくもり 眠りから目覚めた針が 夜の息に沿って縫い始めた ほどけた糸たちは 忘れられた記憶のように絡まり 空っぽの胸の奥で 小さな宝石が静かに震えていた [Pre-Chorus] 柔らかな綿に満たされて 乱れ一つないまま満ちていた 静かな布の下で 傷一つない顔をつけられた 繊細な糸で繋がれ 裂けた想いも丁寧に隠された 胸に埋め込まれた宝石ひとつ 夜の中でずっと光っていた [Chorus 1] 私を縫い上げたその手が もう一度だけ抱きしめてくれたなら この震えも、この静けさも 少しは和らぐ気がしてた あなたの影だけを追いかけて 誰もいない部屋をさまよいながら 息遣いの跡を辿ったのに 残っていたのは私の足跡だけ [Verse 2] くれた名前を呼んでも 返るのは見知らぬこだま 針の跡に残る震えが なぜか心に触れてくる 宝石が脈を打つたびに これは本当に私の想い？ もし初めからあったのなら 私は 誰のものでもない [Chorus 2] 私を縫い上げたその手が 本当にあなたのものだったなら この震えも、この静けさも どうして深まっていくの？ あなたの影だけを追いかけて 空っぽの部屋を彷徨って 息遣いの跡を辿ったのに 最後にあったのは私の足跡だけ [Bridge] いつからか 手のぬくもりも 糸の感触も すべてが私に似てきた気がして 少しずつ気づき始めた 誰もこの継ぎ目を縫っていなかった この震えも この微笑みも ずっと、ずっと前から 私の中で芽生えていたんだ [Chorus 3] 糸が途切れたその場所に 小さな息がそっと残っていた 針も 布も 私の内側で 言葉もなく 静かに続いていく 名前をもらったことがあっても それより古い震えがある 今 静かに続くこの息遣いが 私が生きている証のように思える [Outro] ラ~ ラ~ ラ~ラ~ ラ~ ラ~ ラ~ラ~ ラ~ラ~ラ~ ラ~ ラ~ ラ~ ラ~ ラ~ ラ~ラ~ ラ~ ラ~ ラ~ラ~ ラ~ラ~ラ~ ラ~ ラ~ ラ~